こころの書道

〜書道のお話〜

書道には、「道」という文字がつきます。華道や茶道、柔道や剣道と同じように目で見てわかる技術的な成長だけでなく精神的な成長も同じように、学んでいくものです。

ところで、書道と同じく、筆で字を書く行動を表すものに、「習字」があります。習字は、字を美しく書く方法を習うことです。日本では、国語の教科の一環として「書写」として時間が設けられています。

私の講座に通ってみえる方の大半は、『学校で書写の時間に習ってから、筆を持っていないわ』といわれます。時々、『●●先生(地元の有名な先生)に習っていたのだけどね。』という方もみえます。そんな時は、内心「ドキドキ」しているのですが「そうなのですか?すごい方に師事されていらしたのですね」と、お返事をします。

実は私がドキドキしてしまう原因には、書道の歴史がかかわっているんです。書道の世界でも、華道や茶道のように流派のようなものがあります。しかし、長い歴史の中で、たくさんの流派が、発生していて、はっきりと分けることが難しくなってしまっています。

書の世界では、流派は『●●会』と呼ばれることが多いので、【会派】と、言われています。ある会派に属する師匠の書き方(筆法、ひっぽう)を門下生が学び習得し師匠の筆法を譲り受けた書を書けるようになります。前述の地元の有名な先生は、私と同じ会派ではありません。『以前の先生の字の方が好きだった』と言われたら、どうしよう。と私はドキドキするのです。

再び書道を始めたきっかけ

私は、友人からの紹介で、今の先生に出会うことができました。娘が小学生だった頃に一緒に活動していたPTA友達とランチに行ったお店の入り口に素敵な【書】の作品が飾ってありました。『素敵な字だね』と話をしていたら、友人が「実は、最近素敵な先生に出会ったんだよ」と、書道をしている事をカミングアウトしてきました。「私も、習いたい!」その場で、友人にお願いをして、教室体験に伺って、今に至ります。丸15年、先生に師事させていただいています。筆法だけでなく、人として、尊敬できる方です。先生のお人柄に惹かれて、色々な方が学びにみえます。私も、そんな存在になりたいと、思っています。その為に、日々、技術だけではなく、精神的な成長にも力を入れています。